コロナ禍で増える、いろいろ自販機 宮崎では本格派コーヒー豆が登場

コロナ禍で増える、いろいろ自販機 宮崎では本格派コーヒー豆が登場

コーヒー豆の自動販売機と宮本さん=2021年11月26日午後4時3分、宮崎市旭1丁目、平塚学撮影

Source : 朝日新聞 | Author : 平塚学 | Date : 12/22/2021


コロナ禍を受け、全国各地で変わり種の自動販売機が出てくる中、宮崎市にコーヒー豆の自動販売機が登場した。豆の品質にこだわる市内のカフェのオーナーが設置。飲食店から客足が遠のく状況を逆手に取り、顔を合わせずにいつでも買ってもらえる気軽さで多くの人においしいコーヒーを知ってもらいたいと願う。

全国ではラーメンやギョーザ、エビフライなど冷凍・冷蔵食品を中心に自販機で売るスタイルが広がる。コロナ禍で打撃を受けた飲食店が自販機に活路を見いだした。時短営業中でも24時間販売でき、客も非接触というメリットがある。

咖啡豆自動販賣機

コーヒー豆の自動販売機=2021年11月26日午後4時3分、宮崎市旭1丁目、平塚学撮影

コーヒー豆の自販機は、県庁本館などが立ち並ぶオフィス街の「ロッサ焙煎(ばいせん)所」(同市旭1丁目)の店頭にある。価格はコーヒー豆1袋(100グラム)が900円、1杯分のドリップコーヒーのパックが入った紙コップが200円。牛乳を注いで自宅でカフェラテを作るエスプレッソの瓶(275ミリリットル)が1600円。すべて店で買う場合と同じ値段。今後は一定の期間ごとに陳列する豆の種類を変えていくという。

8月から自販機メーカーと交渉「最初は赤字覚悟」

焙煎所のオーナー兼バリスタ(コーヒー職人)の宮本幸司郎さん(36)は、2015年に市内でカフェ「The ROSA COFFEE」(同市橘通東4丁目)を開業。農場から豆を直接仕入れ、豆の産地や品質にこだわる「スペシャリティーコーヒー」を売りにしてきた。今年6月からは姉妹店となる焙煎所も開店し、豆の買い付けから焙煎、製造、販売までを手がける。

コロナ禍の直撃を受け、カフェも昨年は一時的に売り上げが5割減まで落ち込み、年間平均でも2割減になった。一方で地元の食品スーパーに卸す豆の売り上げは好調だったという。

宮本さんは家庭でのコーヒー需要を見込み、閉店後も稼働する自販機が販路拡大につながるかもしれないと考えた。今年8月から自販機メーカーと交渉し、11月下旬から販売を始めた。「店にとっても新たな挑戦で最初は赤字覚悟。お年寄りから若い人まで気軽に買ってもらいたい」。

問い合わせはカフェ(080・9124・8241)へ。(平塚学)

全国の変わり種の自動販売機

●エビフライ(佐賀県上峰町の専門店)

馬刺し(長野県飯島町の専門業者)

●もつ鍋(松山市の専門店)

●牛タン(仙台市などの食肉加工卸業者)

明石焼き(大阪市の飲食店)

●柿の葉ずし(奈良県吉野町の無料休憩所)

●イカの塩辛(宮城県気仙沼市の水産会社)

●コーヒー豆(横浜市の製造販売業者)

※朝日新聞調べ

 
Previous
Previous

Breaking down logistical challenges in the coffee sector

Next
Next

Coffee prices are at 10-year highs, and analysts say they have much further to go